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執筆者の写真ぐらし ひがしおおみや

自転車工房いのうえ

昭和32年1月開業、まちの自転車工房の店主井上さんに、電動自転車の選び方や注意点などお聞きしました。



自分にあった自転車を 長く 大事に 快適に

 足腰に自信がなくてもスイスイ運転できる電動アシスト自転車は、高齢の方の移動にもおすすめ。選び方など注意点はあるのでしょうか?

 「当店では必ず試乗して頂き、少しでも不安があれば無理にお勧めしません。むしろ、今お持ちの自転車を調整して、長く乗って頂くことがベター。新しい自転車に慣れなくて転倒するケースもあるからです。」と井上さん。

 モーターの位置によって、後ろから押してもらっている感じ、引っ張ってもらっている感じなど乗り心地も違う。握力が弱くてもふらつかず乗れるというのが電動アシストの利点で、東大宮コーナンドイト横の陸橋もお手のもの。ご自分にあった自転車で、安全に快適にお出かけしたいですね。


【 購入時のポイント 】

 ① 適用身長より小さめの車体で、両足を地面につける!

 ② サドル・ハンドルの位置を乗りやすく調節!

 ③ フレームが1本(U型)でまたぎやすいものを!


【 日頃の点検で安心! 】

 ①1~2ヶ月で空気入れ

 ②半年に一度のブレーキ確認、チェーンに給油

自分でできないときは、井上さんにおねがい。

定期的なメンテナンスで故障は防げる。

7年間毎日乗って、なんとパンクが1回だけ。

しかもタイヤの摩耗で、というお客さまも!



カスタマイズの相談もなんなりと!

 店頭には試乗車が多数。握力が弱くブレーキが不安という方には、パームブレーキ仕様車も試して頂けます。これは、指先でレバーを握るのではなく、ハンドルに置いた手に少し体重をかけることで楽にブレーキがかかる仕組み。「障害があっても、可能なら自転車を楽しんで頂きたい。ご希望に合わせてカスタマイズできるよう準備しています。当店で扱えない場合、対応可能なお店を紹介します。メンテナンスはお任せ下さい。」と井上さん。

 自転車の歴史なら200年分は語れるほど知識豊富。勉強会や展示会には必ず出向き、常に情報をアップデート。単なる「販売」ではなく、安全快適な自転車ライフを提供するという熱い思いを感じます。まさに、わが町の頼れる自転車屋さん!


見る・食べる・走る 散走

 自転車を存分に楽しめるよう井上さんが提案するのが「散走」と名付けた旅。

【見る・食べる・走る】がコンセプトで、サイクリングしながら歴史や文化、食に触れます。実施にむけて井上さんが作成するしおりには、名所のうち数か所がわざと書かれていません。「何も書いてない場所で私が止まると、旅のメンバーが、何?なんかあんの?と(笑)宝探しって楽しいでしょ。懸命には走らず、美味しいもの目当てに行くと心も体も癒されるんです。」

 また、先頭を走って手信号を出したりと、マナーアップも図っているそうです。



【対談】 未来の自転車ってどんなだろう

中山 井上さんが考える「未来の自転車」はどんなイメージですか?


井上 なかなか難しい問いですね(笑)漠然とですが、その方が楽に乗れる自転車、その方それぞれにあった自転車ができるのかな。たとえば、コンピューター技術を利用して、心臓が悪い方でも楽にどこまででも行けるような自転車。

アップルウォッチのようなものと自転車を連動して、乗っている方の体調から状況判断しながら、心拍数を上げないように登坂ではコンピューターアシストで走れるとか。

ただ、バイクとは違うから、ペダルはちゃんと回さなきゃだめだよっていうような。

それでいて、倒れない自転車。

ジャイロ効果って言うんですけど、倒れないような自転車が出来てくれれば、何歳になっても乗れるようになるのかな。

というのも、芝浦工大にはジャイロ効果の研究をしてる先生がいらっしゃるんですよね。

今後、コンピューターやバッテリー、ジャイロ効果の装置が全部パイプの中に入って、見た目は普通の自転車と全然変わらなくて・・・そんな自転車が欲しいなあと思います。


中山 いいですね!すごく安心だし、高齢の方にもいいですし。

ちょっと激しい運動ができない方でも、自転車で出かけられたらいいですね。


井上 買いものに行くにも足がつらいという方の補助をしてくれるような、体に優しい自転車ができれば。値段は高いんだろうけど、出来たらいいですね。

いまはアイデア次第でいろんな自転車ができていますから。たとえば宅急便用の自転車なんてのもあります。前二輪で後ろ一輪なんですけど、後ろにトレーラーが付けられる。前が二輪で倒れないようになっているんです。大量生産では作れませんから高額にはなりますけど。

多分これからは、使い捨てみたいな自転車と、そういう用途に合わせた自転車、すごく細分化されていくんだろうなって思います。


中山 なるほど。用途に合わせて、ますます安全に快適に自転車を利用したいです。


井上 あとね、道路環境も変わってきてますから、自転車のマナーも気になるところではありますよね。マナーアップもやっていかないといけないと思っています。

うちの「散走」では、そういうことも念頭に置いています。

必ず私が先頭を走ってハンドサインを出しています。先頭の私が出せば、うしろに続く人も必ず出しますよね。それが交通安全の一つです。

ヘルメットも必要。自分の経験からも「ヘルメットで助かることがある」とお伝えしたい。

高齢者のヘルメットは特に必要かも。


中山 そうですね、面倒くさがらずにヘルメット!命が大事ですよね。貴重なお話をたくさんありがとうございました。


 

ジャイロ効果とは

「自転運動をする物体は、外からの力が加わらない限りその自転軸の方向を変えず、また回転速度が速いほどその特性が強まる」というのが「ジャイロ効果」

詳しい解説は、物理学者にお任せしたいが、このジャイロ効果を利用した科学玩具「地球ゴマ」ならご存じの方も多いだろう。

1960~70年代ごろにブームとなった「地球ゴマ」は、綱渡りしたり、ペン先で回り続けることができたり、科学好きな方に限らず子どもから大人までをも魅了する玩具である。

残念なことに、地球ゴマを作り続けてきた名古屋市千種区のメーカー「タイガー商会」は2015年7月、94年の歴史に幕を下ろすことになった。

現在は、元地球ゴマ職人の方が起業し(タイガージャイロスコープ株式会社)、オモチャの域を超える本格的なサイエンスホビー「地球ジャイロ」が完成している。


「地球ジャイロ」の美しさはこちらからどうぞ

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芝浦工業大学の研究

2015年 学生安全技術デザインコンペティション国内大会にて、芝浦工業大学の学生チーム「MARS」が最優秀賞を受賞。テーマは、ジャイロ効果を用いた二輪車安全回避機能の開発

これは、国土交通省が主催のイベントで、公益社団法人 自動車技術会が事務局として、東京都千代田区の同会本部にて開催(2015年3月16日)したもの。

最優秀賞を受賞した同大学は、同年6月8日から11日にスウェーデンのヨーテボリにて開催された第24回ESV国際会議で実施された国際大会に日本代表として参加した。


文責:中山


見沼区堀崎町1096-5

☎ 048-687-7096

営業時間10:00~16:00


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