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このごろ気になる本の紹介

  • 執筆者の写真: ぐらし ひがしおおみや
    ぐらし ひがしおおみや
  • 2021年10月26日
  • 読了時間: 1分

更新日:2021年11月1日


「たまごのはなし」



定価: 本体1,100円+税

初版: 2021年2月

文:しおたにまみこ

出版社: ブロンズ新社


















 長い間ただ転がっていたたまごは、ある日突然自我に目覚めます。

そして、動くことの気持ち良さを他のたまごにも伝えようと叩いてみたりしますが起きてくれません。次に寝ていたマシュマロを起こそうとかじってみると、「なんでかじるのさ」と言われてしまいます。たまごは話せば伝わることに気付き、自分の言葉で話すことにします。

 ある日、たまごは相棒のマシュマロと一緒にキッチンを出て、他の部屋に散歩に出掛けます。そこで出会った口うるさい鉢植え、心配性のクッション、忙しくて休めないと愚痴る置時計を次々と上から目線で黙らせます。

 たまごとマシュマロが語る言葉は、皮肉めいていているようで、どこか哲学的で、読み手の心に響きます。ハンプティダンプティを思わせる風貌のたまごをはじめ、出てくるキャラクターは鉛筆で繊細に描かれていて、何とも言えないシュールな世界観を目でも大いに楽しめます。

 考えさせられたり、クスッとしたり、大人と子供でそれぞれ違った捉え方ができて、読めば読むほど引き込まれていく不思議な絵本です。 (あっこ)


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