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執筆者の写真ぐらし ひがしおおみや

このごろ気になる本の紹介

「おおきな木」

定価: 本体1,200円+税

初版: 2010年9月

文: シェル・ シルヴァスタイン

訳: 村上春樹

出版社:あすなろ書房












 少年は大好きなおおきな木といつも一緒に遊んでいました。木に登り枝にぶら下がり、実ったりんごを食べました。やがて成長した少年はお金が欲しいといいます。おおきな木はりんごを売ってお金にするよう伝えます。しばらく来なかった少年は大人になって再びやってきます。今度は家が欲しいといいます。おおきな木は枝を持っていくよう伝えます。

 年月がたち、かつての少年は年を取り、おおきな木はついに切株だけの姿になってしまいます。

子供を持つ親御さんはきっとおおきな木に感情移入してしまうことでしょう。

自分の身を削り、子供のためにすべてを捧げて親は大変だ・・・と。

でもおおきな木は切株だけになっても、かつての少年を癒せれば幸せなのです。

どんなに苦労しても、離れていても、子供が幸せになることが親の幸せなんだと気付かせてくれて、ちょっぴり切ない気持ちにもなる一冊です。

(あっこ)


あなたはどっちの訳がすき?


「おおきな木」は当初、本田錦一郎さんの訳で出版されました。

残念ながら本田さん訳の絵本は絶版となってしまい、2010年に村上春樹さんの訳で出版されました。それぞれに特徴があって、読み比べてみるのも面白いですよ。たとえば、本田さん訳はすべてひらがなだったり、さいごの一文が決定的に違ったり!?




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